50代で会社を辞めるか迷ったら、まず何を確認する?

執筆者: 運営者

「辞める・残る」を決める前に、確認する順番を決める

50代で会社を辞めたいと思ったとき、いちばん困るのは、「辞めたい気持ち」と「辞めても大丈夫か」が頭の中で混ざることです。

先に答えを出そうとすると、「生活費はいくら必要か」「年金が始まるまで何年あるか」「健康保険はどうするか」と、確認したいことが次々に増えていきます。

そこで、このサイトでは「辞める・残る」を決める前に、判断材料を7つに分けて確認します。

見るのは次の7項目です。

  1. 毎月出るお金
  2. 退職後に入るお金
  3. 今ある金融資産・負債・資金繰り
  4. 健康保険
  5. 年金
  6. 退職後の働き方
  7. 家族条件

全部を一度に完璧にする必要はありません。まず「確認済み」「仮置き」「未確認」に分けるだけでも、自分が次に何を確かめればいいのかが見えやすくなります。

1)毎月出るお金

最初に確認したいのは、退職後も続く生活費です。

直近12か月の支出を、次のような項目に分けます。

  • 住居
  • 食費
  • 光熱・通信
  • 保険
  • 車
  • 医療
  • 税

ここで大切なのは、旅行や趣味を最初から「削るもの」にしないことです。退職後も続けたい生活なら、それも必要な支出として置きます。

さらに、家電の買い替え、車、住宅修繕など、毎月は出ないけれど数年に一度発生する支出も年額に直します。

「普通の1か月」だけを見るより、退職後に守りたい生活がいくらで成り立つのかが分かりやすくなります。

2)退職後に入るお金

次に、退職後に入ってくるお金を「金額」と「始まる時期」に分けます。

入ってくるお金は、たとえば次のように分けて確認します。

  • 退職金
  • 企業年金
  • 公的年金
  • 個人年金
  • 再就職収入
  • 事業収入

同じ「収入」でも、入ってくる時期が違います。

年単位では足りているように見えても、年金や次の収入が始まる前に現金が薄くなることがあります。税や社会保険料を差し引く前後も混ぜず、月ごとの流れで見ると資金の切れ目を確認しやすくなります。

3)金融資産・負債・資金繰り

資産総額だけではなく、「今すぐ使えるお金」と「負債」を分けて確認します。

預貯金や換金しやすい金融資産がどれくらいあるか。住宅ローンなどの返済がどれくらい残っているか。そして、退職直後から年金や次の収入が始まるまで、手元資金が切れないか。

将来の資産総額が十分でも、途中で使える現金が足りなければ生活は苦しくなります。50代の退職判断では、「最終的にいくら残るか」だけでなく「途中で資金が詰まらないか」も確認しておきたいところです。

4)健康保険

退職後の健康保険は、候補を並べて確認します。

  • 任意継続
  • 国民健康保険
  • 家族の健康保険の扶養

どれが有利かは、退職時点の条件や世帯状況などで変わります。利用条件や手続期限もそれぞれ異なるため、退職日が見えてきた段階で、加入中の健康保険、自治体、家族の勤務先の健康保険へ確認します。

「たぶんこれだろう」で決めず、自分の条件で比較する項目です。

5)年金

年金は平均額ではなく、自分の加入記録と見込額を確認します。

公的年金は、ねんきんネットなどで自分の記録と見込額を確認し、企業年金や個人年金がある場合は別々に整理します。

大切なのは、年金が「いくらもらえるか」だけではありません。何歳から入るのか、その前の期間を何でつなぐのかまで一緒に見ることです。

6)退職後の働き方

選択肢は「今の会社に残る」か「完全に働かない」かの二つだけではありません。

たとえば、次のような案を置きます。

  • 再就職
  • 短時間勤務
  • 個人事業
  • しばらく働かない

そのうえで、収入だけでなく、拘束時間、安定性、税・社会保険、やりたい生活との相性を比べます。

少し働くことで資金面の余裕が増えることもあれば、時間を優先したい人もいます。ここは金額だけでなく、退職後にどんな毎日を送りたいかとセットで考える項目です。

7)家族条件

最後に、家計を一人分だけで考えないことです。

配偶者の収入や社会保険、住まい、親のこと、子への支援、退職後にどこでどう暮らしたいか。こうした条件も、会社を辞める時期に影響します。

家族との話し合いは「辞めていいか許可をもらう」ためではありません。これからの家計と生活の前提を共有するための確認です。

7項目は、同じ時間軸に置く

ここまでの7項目を別々に考えると、情報は増えても判断しにくいままです。

ここまでの7項目を、退職直後から数年先まで同じ時間軸に置いてみます。

そして、それぞれを「確認済み」「仮置き」「未確認」に分けます。

すると、次の違いが見えやすくなります。

  • 辞めるにはあと何が必要か
  • 時期をずらせば何が変わるか
  • 会社に残る案と比べてどうか

これが、このサイトで考える「会社卒業のものさし」です。

実際に58歳で早期退職した人は、何を確認したのか

運営者自身も、勢いだけで会社を辞めたわけではありません。生活費、金融資産と負債、年金、家族、住む場所、働き方などを順に確認し、「辞められるか」と「辞めたいか」を分けて考えました。

その過程は、「58歳で早期退職した本人が、退職前に実際に整理したこと」で時系列に沿ってまとめています。同じ結論を選ぶためではなく、「自分なら何を確認するか」を考える一例として読める記事です。

今日決めるのは、退職するかどうかではない

最初から7項目すべてを埋めなくても大丈夫です。

今日やることは一つだけ。7項目の中から、自分がいちばん曖昧だと感じるものを一つ選び、手元の資料か公式情報で確かめてみてください。

「辞める・残る」の答えは、その確認を重ねたあとで決めればいい。先に必要なのは、自分で判断できる材料をそろえることです。